2018年画廊企画PART8
柿崎さえみ 展
― quotidient ―
「ネコトリ」F8 和紙、顔料、コンテ 2018
2018年12月08日[土] ― 16日[日]
AM10:30-PM7:00(火曜休廊・最終日pm5:00)
札幌生まれで、現在相模原市在住の若手画家、柿崎さえみの当画廊では初めての個展を開催致します。2016年、2017年と当画廊の企画グループ展「アマダレ」に参加、大変好評を得たことを切っ掛け
に、今回個展を開催することになりました。
東北芸術工科大学在学中には、日本画主要3団体の一つ、創画会で春季展賞を受賞し注目され、卒業の際には優秀賞を受賞。後に東京芸術大学大学院に進学、大学院日本画専攻修了時には東京医科歯科大学奨励賞を受賞し、現在は日本画という枠を超え、日本画材以外の様々な画材も使用しながら独自の世界の構築を試み、様々な企画G展や個展を通して発表を続けています。
今回の個展のテーマは「quotidian(日常)」日々の生活の一場面が彼女の脳裏によって色彩も形も柿崎色に変換され、絵画画面に映し出されていく。そのなんとも懐かしくもあり、しかし現代的な感性の中で醸成された独特の空気感や魅惑的な曖昧さは、多く鑑賞者を柿崎ワールドに次第に引き込んでいきます。
本展では新作を中心に、ミクストメディアによる作品を展示、ご高覧頂きます
画廊主・梅津宏規
私は、作品を制作するにあたって「ドローイング」という行為に、非常に重きを置いています。
私にとってのドローイングとは、そのものの形を追うスケッチ的なことでは無く、その場所で感じた色や形、そして空気感、そこで得られたものを頭で深く考えずに、体を大きく使って紙に写す、という行為のことです。これらのドローイングは、基本 人に見せる為に描くのではなく、非常に主観的で衝動的であり、概念を払拭することを目的とした「グラフィティ(らくがき)」に近い行為です。
ドローイングから得られたものを、一枚のパネルに再構築させていきます。ここで初めて、見る側(第三者)のことを意識します。それは五感で入ってきたものを、世の中から受けるイメージ(物質、生き物、景色)へと変換させる作業とも言えます。例えるなら壁のシミや、影を見つめていると、突然それが動き出したり、生き物に見えたりすることがありますが、それと同じで、ドローイングという感覚的で不確かなものに、実際に存在する偶像を当てはめていき、それらを確かな形にし、画面を構築します。
そして和紙、水干などの日本画画材を中心に、表現の幅を広げる為にコラージュをしたり、その他の画材を併用して、様々なマチエールを作っていきます。
このような作業をすることで、現実と想像のはざまのような、唯一無二の世界観を生み出そうと試みています。
また、私の絵には生き物が度々登場します。それは衝動という大きなエネルギーを擬態化したものであり、同時にそのエネルギーを生み出した私自身でもあり、主観的なドローイングを再構築させ「衝動」を形にして、私の作品となっていきます。
柿崎さえみ
「sunday morning」 F120 和紙、顔料、コンテ 2018 |
「サーカスのユメ」 2018 |
「トリネコ」 2018 |
「ウラオモテ」 F0 和紙、顔料、コンテ 2018 |
「motherⅡ」 2018 |
2018年画廊企画PART8 柿崎さえみ 展 ―quotidient―