2024年画廊企画PART5
- くうきくらげ -
「極夜 二曲一双」276×150cm シルクスクリーン、屏風 2020
2024年6月8日[土] ― 16日[日]
AM10:30-PM7:00(11日火曜休廊・最終日pm5:00)
画廊翠巒では、2年ぶり8回目となる広沢 仁氏の個展を開催します。
本展ではライフワークになっている屏風仕立てのシルクスクリーン作品と、近年精力的に制作し高評を得ている彩色木造彫刻作品を中心に「広沢 仁の世界」をご覧頂くとともに、定評のあるシルクスクリーンによる版画とドローイングも含め新作を中心に約20点をご覧頂きます。
広沢 仁氏の版画や彩色木造彫刻は、写実的、写真的リアリティーより、あえて原初的、プリミティブな表現にすることで、物事の本質や価値の在り方をストレートに問いかけ、即物的表現と共に、日々生活する中で見つけ出す、何気ない日常の情景を切り取り、卓越したセンスによって造形化、象徴化され、力強く人間的な作品としての表現が彼の作品の特徴と言えます。
画廊主
8月の夕暮れ、仕事で行った鄙びた村で作業をしていると突然背中にチクっとした痛みがはしった。
続いて脇腹、ニノ腕にも。
ダニノミ系に噛まれたかとシャツをめくってみてもそれらしきものは見当たらない。
周りを見渡し耳をそばだててみてもアブブヨ系も見出せない。
患部はただクラゲに刺されたように赤く爛れているだけ。
隣で一緒に作業していた同僚は平然とし、痛い痒いと騒いでる私を見て笑っていた。
見ること聞くこと触れることはできないが、確かに何かが存在していて、
それが私の身体を刺激している。
他の誰でもなく私だけに突き刺さるもの、働きかけるもの。プンクトゥム。
私はそれを空気くらげと名づけた。あなたにはそういう経験はないだろうか?
広沢 仁
「遠い場所」 |
「関越ハイウェイ」 |
「ゴースト」 |
「ほたるぶくろ」 |
尚、他作品や個展会場動画などは以下のブログからご覧頂けます>
https://ameblo.jp/suirancom/
石黒 光・荻莊天馬・戸田創史
「トロピカリ」F100 パネル、綿布、岩絵具、アクリル絵具、水干絵具、箔 2024 戸田創史 作
2024年5月18日[土] ― 26日[日]
AM10:30-PM7:00(21日火曜休廊・最終日pm5:00)
本年も「アマダレ展」を開催致します。
東北芸術工科大学日本画領域の教授である長沢明氏が、この画廊翠巒で個展を開催したご縁から実現した、当画廊と長沢明氏による、東北芸術工科大学大学院日本画領域を修了し、今後の制作に期待を寄せる若手作家の選抜によるグループ展「若手作家育成事業の第9回展で、現在東北芸術工科大学とのコラボ企画展となっています。
今年は3人全員が初の選抜で、全員現在も大学院修士1年生ですが、すでに様々な活動を通して活躍しています。石黒光は、第44期国際瀧富士美術賞で優秀賞、荻荘天馬は、滞在型地域連携アートプロジェクトで大きな成果を上げ、戸田創史は、月刊美術主催美術新人賞デビュー2024年すでに入選。勿論東北芸術工科大学卒業制作展では優秀賞や美術科賞を受賞する、将来を期待される、芸工大大学院の精鋭院生です。
また開催期間中、好評頂いております、作品の画廊展時風景をSNSで動画配信し、ネット上で作品鑑賞いただけるようにしており、YouTubeやブログ上でもご高覧頂くことができますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
画廊主・梅津宏規
「アマダレ」 グループ展主旨
芸術の世界は必ずしも結果を伴うものではないが、たとえ結果がどうであれ、描き続けていくだろう彼等。
一つの方向を向き描き続ける作業は、雨だれが石を穿つ様と重な、ときには「描くべき意味」を飛び越えていく。描くことが思考を超えた時にしか、見せることができない世界がある。
私は芸術のフィールドに、そんなプレイヤーに立ってもらいたい。
またアマダレは「!」の別名であることから、彼らが自分の世界を求める中で見つけた「!」を、僕らにも見せる機会になってほしい。
長沢明
石黒 光 ISHIGURO Hikaru
私は「手で思考すること」を絶えず続けてきました。私の絵には画面とのやりとり、そこで日々育む愛情が必要不可欠です。 朝、アトリエに来たら、昨晩は濡れていた画面に手で触れて、今日生まれた温度を、水を含んだ刷毛で撫でつけ、同時に私を擦り込む。絵を描くことは常に自分を描いているのと同じだと考えます。私はこの過程を「喪の作業」と呼んでいます。この言葉は人間が喪失した対象から離れていくためにとる心理的過程を表しています。決してネガティブなものではなく、対象の喪失を悲しむことから逃げることなく、向き合い、受け入れるために必要不可欠なものだと位置づけています。私にとっては省略することが許されない大切な時間です。 瓶詰めの絵具の粒子を絵皿に出し、そこに、膠を2滴。中指でよく練ったら、真っ白の画面に飛び込みます。素材との対話で生まれた絵具の現象は、ひとつたりとも同じ効果を見せずに布に痣のように貼り付きます。その流動的な素材たちに触れ、それらには血が通っていることに気づきました。つくったものと、私とでこそこそ話をするように制作をしています。
荻莊天馬 OGISÔ Tenma
日々の制作は常に写生をベースとした作品制作をしています。
自分で見た世界をこの手で表現するため、何時間、何日もかけて、その場に訪れ写生をします。その時の自分の感情や、五感に伝わってくる実感力を探究し、鑑賞者を引き込むことのできる作品を模索しています。
今回は写生から本画に移すのではなく、すべて想像したイメージを追いかけながら制作したものになります。
写生を元に制作を試みたのですが、描くために必要な感情が薄く、想像するものから今の自分にできる最大限のことをしました。
戸田創史 TODA Sôshi
私は、絵を描き続けていくためにはどのような生活をしていれば良いのだろうか、とよく考えています。
それは、感性のアンテナを失わないことや、描くきっかけになる出来事を絵の外側に求め続けていくことなのではないかと思います。
東浩紀が提唱する「観光客」というウチでもソトでもない第三者様式の概念は、この両方を実現することができました。その土地にいき、その土地のものを食べ、その土地の人と会話し、その土地の色や形に触れる。豊かで新鮮なそれらは、私に生きる希望を与えてくれます。さらに、その経験を通して元いた土地の良さにも気づきました。ウチを受け入れ、ソトに開く。この過程で自然と作品が完成するのがベストです。
このような考え方に即して、私は現場取材に重きを置いています。沖縄や北海道を歩き回り写生を行い、スケッチブックにメモリーとして残してきました。
私にとっての写生は、俳句を詠む感覚に近いです。心の揺らぎを見逃さないように、落ち着いて、大胆に描く。あまり時間をかけない。自分の生まれた土地にはない文化や生き物に触れたとき、この感覚はさらに研ぎ澄まされるのです。このプロセスを下敷きに、素材や形態にとらわれない、絵画作品群を制作してきました。
箔や岩絵具などの伝統的な素材を使いながらも、現代に生きる「観光客」としての私たちの視点を研究、模索している。
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「霞」 |
「彗星」 |
「泉に夢」 |
「雪の断片 ―石山緑地―」 |
尚、他作品や個展会場動画などは以下のブログからご覧頂けます
石黒光 ISHIGURO Hikaru
画歴
2002年 山形県米沢市に生まれる
2020年 東北芸術工科大学芸術学部美術科日本画コース入学
2024年 東北芸術工科大学芸術学部美術科日本画コース卒業
現 在 東北芸術工科大学修士課程芸術文化専攻絵画領域1年在籍中
展覧会
2024年 東北芸術工科大学卒業修了研究制作展 東北芸術工科大学・山形
東北芸術工科大学卒業修了研究制作展/選抜展 東京都美術館・東京
アマダレ2024 –石黒 光・荻莊天馬・戸田創史 画廊翠巒・群馬
受賞歴他
2023年 「二度目の風で花弁は舞う」小津和紙ギャラリー・日本橋 買い上げ
第44期国際瀧富士美術賞/東京日本交通文化協会 優秀賞
2024年 東北芸術工科大学卒業修了研究制作展 美術科賞
米沢市芸術文化協会 文化奨励賞
荻莊天馬 OGISYO Tenma
画歴
2001年 新潟県生まれ
2020年 東北芸術工科大学芸術学部美術科日本画コース入学
2024年 東北芸術工科大学美術科 日本画コース卒業
現 在 東北芸術工科大学大学院修士課程芸術文化専攻絵画領域1年在籍中
主な展覧会他
2022年 AIR in Mutsu Kawauchi滞在型地域連携アートプロジェクト 青森
名前のない星座展 東北芸術工科大学・山形
ラクガキに愛をもめて 東北芸術工科大学・山形
TIPお披露目会 東北芸術工科大学・山形
アトリエ熊谷藝術学院設立41th記念 卒業生・講師合同作品展 仙台
Jazz &Bossa’n童謡[わざうた]風待月コンサート 菊森記念美術館・新潟
TIP at OF HOTEL LOCAL SESSION OF HOTEL・仙台
企画展「SCRAMBLE」T.I.P5期生 Gallery A8T・仙台
暮来月コンサートJazz &Bossan’童謡(わざうた) 長岡・新潟
2024年 東北芸術工科大学卒業/修了研究・制作展 東北芸術工科大学・山形
東北芸術工科大学卒業/修了研究・制作東京選抜展 東京都美術館・東京
アマダレ2024 –石黒 光・荻莊天馬・戸田創史 画廊翠巒・群馬
受賞歴
2024年 東北芸術工科大学卒業/修了研究・制作展 優秀賞