2026年6月21日 10:30 - CATEGORY:
画廊翠巒

画廊翠巒では、2年ぶり9回目となる広沢 仁氏の個展を開催します。
本展では、近年精力的に制作を続けている彩色木彫作品を中心に、定評のある版画作品、木彫の新作を含めた約30点をご紹介します。
海外でも活躍する作家・広沢仁氏は、長年にわたり美術大学で後進の指導にもあたり、多くの人材を育成してきた実力派作家です。昨年より前橋市に居を構え、新たな制作活動に取り組んでいます。
広沢仁の版画や彩色木彫作品は、写実的・写真的なリアリティを追求するのではなく、あえて原始的でプリミティブな表現を用いることで、物事の本質や価値のあり方を問いかけます。日々の暮らしの中で見出される何気ない情景、そして現代社会の空気感を作家独自の切り口で切り取り、卓越したセンスによって造形化・象徴化された作品群は、力強く人間味あふれる表現として、多くの人にとっての原点を思い起こさせるような、観る者の心に触れ、優しくけれども強く印象を残す、そうしたものです。
広沢仁の豊かな世界をご高覧ください。
画廊主 梅津綾
学⽣の頃、90 年代後半、「ポストモダン」という⾔葉が流⾏っていた。
当時は難しくてよく分からなかったけど、なんか今は分かる。
永い時間をかけて構築されてきた規範や秩序が壊れていく今⽇の状況こそ徹底したポストモダンだ。
その頃受けた授業で何故か忘れられない⾔葉がある。
「⽇本は本来的な意味で近代化を通過していないプレ・モダンの状態なのだから
⽇本のポストモダンを論じることはナンセンスである」なんかすごく分かる。
空を仰げども指標となる星は⾒えない。真っ暗で何もない。
「スターレス」はキング・クリムゾンの曲名から、
何点かのイメージはフランシスコ・ゴヤの版画から引⽤した。
レジンで閉じ込めた作品は、遠距離電話の孤独を、琥珀に閉じ込められたような、
氷河で時間が⽌まったような 永遠とも思える遠さを重ねてみたいとロマンチックに思った。
タイトルは最初、⾕川俊太郎の「20 億光年の孤独」から 20 億光年にしようと思ったが、
地球が⽣まれる時間は少し遠すぎると思い、
次にローリング・ストーンズの「2000 光年の彼⽅へ」から 2000 光年にしようと思ったが、
いやまだ遠いと思い、200 光年に落ち着いた。
レジンは気泡が⼊ったり、濁ったりと 3 回作り直し、完成までに1年かかった。
広沢 仁
>広沢 仁 PF

尚、他作品や個展会場動画などは以下のブログからご覧頂けます>
https://ameblo.jp/suirancom/
2026年5月15日 23:50 - CATEGORY:
画廊翠巒
東北芸術⼯科⼤学との共同企画:若⼿作家育成⽀援事業
2026年画廊企画PART5
アマダレ 2026
⼤野菜々⼦・奥⼭和奈可

2026年5月16日[土]-24日[日]
Am10:30 ―PM7:00 (19日火曜休廊,最終日17:00)
本年で 12 年、12 回⽬となる「アマダレ展」を開催致します。
アマダレ展は、東北芸術⼯科⼤学芸術学部⻑、⽇本画領域教授である⻑沢明⽒が、この画廊翠巒で個展を開催したご縁から実現した、当画廊と⻑沢明⽒による、東北芸術⼯科⼤学⼤学院を修了し、今後の制作に期待を寄せる若⼿作家の選抜によるグループ展「若⼿作家育成事業としての東北芸術⼯科⼤学とのコラボ
企画展です。
⼤野菜々⼦は、2016 年から始まった Dojima River Awards2016 で⼊選、2022 年の第 9 回郷さくら美術館桜花賞展では奨励賞として、今後の活躍がますます期待される若⼿⽇本画家として紹介され、奥⼭和奈可は、ジャンル不問・既成概念を打ち壊すような意欲作が並ぶ、公募 ヴァニラ画廊⼤賞展で都築響⼀賞、2020 年、2021 年と公募 害蟲展では⼊賞、最優秀賞、とその存在感を発揮し、 “時代を象徴する表現者”として精⼒的に活動を続けています。
画廊主 梅津宏規
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「アマダレ」 グループ展主旨
芸術の世界は必ずしも結果を伴うものではないが、たとえ結果がどうであれ、描き続けていくだろう彼等。⼀つの⽅向を向き描き続ける作業は、⾬だれが⽯を穿つ様と重な、ときには「描くべき意味」を⾶び
越えていく。描くことが思考を超えた時にしか、⾒せることができない世界がある。私は芸術のフィールドに、そんなプレイヤーに⽴ってもらいたい。
またアマダレは「︕」の別名であることから、彼らが⾃分の世界を求める中で⾒つけた「︕ 」を、僕らにも⾒せる機会になってほしい。
⻑沢 明
⼤野菜々⼦ OONO Nanako CV
私は、⼟地に蓄積された記憶や、⼈々が暮らしてきた痕跡を掘り起こし、普段は⾒えにくい「時間の層」を作品として可視化することをテーマに制作しています。過去の芸術作品の調査やフィールドワーク、⾃⾝の⾝体的な経験を⼿がかりに、記録や⼟地に眠る記憶を観察し、絵画やインスタレーションとして再構成しています。
制作の原点には、故郷である秋⽥県男⿅市の伝統⾏事「なまはげ」の調査があります。そこから、地⽅と都市における家族や共同体の変化に関⼼を持つようになりました。また、⼭形県南陽市の⼭間集落での滞在制作や地域の⽅々との交流を通して、⼟地に刻まれた⽣活の記憶や時間の厚みを作品に取り⼊れてきました。
近年は、関東⼤震災をモチーフにした作品や、多⽂化共⽣の現場での経験をもとに、災害の記憶や変化する共同体にも⽬を向けています。⽇々の制作では、過去と現在を往復しながら、⾒過ごされてきた記憶に新たなかたちを与えることを⼤切にしています。
奥⼭和奈可 OKUYAMA Wanaka CV
害⾍や雑草、死や腐敗といった、現代社会で忌避されがちな存在に光を当て、慈しみを寄せたくなるような存在として翻訳し描きます。
煮出した珈琲を⽤いた古紙のような斑のある画⾯に、墨・⾦箔・岩絵具を⽤いて緻密に神秘性を表現することを得意としていますが、2024 年の個展以降は、 焼いた銀箔を背景に胡粉を盛り上げることで⽴体感を出すアプローチに注⼒しています。
これは化⽯の質感から着想を得ており、⽴体的な表現によって対象のマチエールを際⽴たせ、岩絵具や⽅解末による反射光の煌めきによってフォーカルポイント(焦点)の役割を与えます。
本展ではこのアプローチを軸に、ナズナやドクダミなど花のモチーフを例年より多く取り⼊れ、⽣花とドライフラワーにより⽣と死の循環を表現しています。
⼤野菜々⼦
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「百年の花園」
1,000×803mm
パネル、綿布、アクリル絵具 2026
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「凌雲閣(浅草⼗⼆階)」
1,940×1,303mm
パネル、綿布、アクリル絵具 2026
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奥⼭和奈可

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「Garden Within」
970×1,620mm
銀箔, 胡粉, 岩絵具, 和紙 2026
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「「枯れたミモザ」
400×1,300mm
銀箔, 胡粉, 岩絵具, 和紙 2024
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尚、他作品や個展会場動画などは以下のブログからご覧頂けます
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2026年4月17日 20:30 - CATEGORY:
画廊翠巒
2026年画廊企画PART4
堀越吉行 展
- 自己指示的虚偽とポリフォニック -

「Acrylic 18」 F40 キャンバスに油彩 2026
2026年4月18日[土]-26日[日]
Am10:30 ―PM7:00 (21日火曜休廊,最終日17:00)
アクリル絵具を油絵具で描くことでアクリル絵具についての言及がされなくなる。アクリル絵具について思考しようとすると油絵具が現れてしまいます。それは表象を持たないモチーフ。表象を持たない絵画を描いたという点で、それは絵具のみを見せ、そこに表象を生じさせないことを表そうとし
た抽象表現主義の別ヴァージョンと捉えることもできる。それは以前ジャスパー•ジョーンズが行ったジョークとも似ている。創造すること、そこに私の制作はあります。
それは抽象表現主義の画家が絵から取り除こうとした何かと同じなのかもしれない。
直線とモチーフと媒体のポリフォニックを行なっているのかもしれない。絵画的ポリフォニックが今までとは別の絵画を見せられるのではと思い制作している。直線はそれ自体では基本的なものであるが、複数が交わると像をなすと見ようとする。ここであえて何でもないものともし見ることが可能であるならばこの直線たちは抽象であろう。この三重の旋律を交わらせたく描いている。
抽象画の現前への課題。物質を見せるということは不在でしかないのでその部分で表象作品と同列の存在。だが、その物質が精神に変貌するという理想的差延が起こるならば、パロールになれるだろう。抽象表現主義者の用いた絵具の物質感は物質性-廃棄物-には当たらないであろう。不在の作品が光の暴力に対する光の暴力となっているのだろう。
■絵具に解釈について
絵具の媒体として、そのものでありかつ表象であるという立場を私はとっています。絵具が表象を持つことは表現を持つことと言え、表現はモチーフが持っていない内容を表すことができる。表象が表現を持つと言えるのは因果的起源を持つ表現ではなく、メタファーとしての表現であり、そのようなものであれば表象として感情を表現することもできる。
媒体として、意味、感情、それとは別に道具として、新しく作られた道具はそれに伴ってそれを活用するためのシステムが構築される。道具の発明としての絵具。それを新たな意味での道具として発明することで、その道具を活用するための関連した道具が次々と発明され、新たなシステムができるのではないかという絵具の新たな解釈を創りたいという希望から絵具を物質でも媒体でもない何か新たな解釈をしてみたいです。
作品の主題が変わると作品の構造も変貌するのかもしれない。それは主題と残りのものは背景という意味ではなく、作品の構造自体が主題の関数であるという意味においてである。残りのものは背景に属するものと構造に属するものに分けられるのかもしれない。そのような点を考慮すると、複数の構造を持つ作品とも受け取れるかもしれない。
芸術作品の観念論を語ろうとしているのだろう。もちろん対象としての実在論の部分もあります。これらが今回の作品たちのあり方になります。これらのものがどのように鑑賞していただけるのかは私にはわかりません。それは私が現時点の私をどのような色を持っているのかを知らないのと同じように。私にとっては透明なのです。私の様式を私が知ることは現時点ではできないでしょう。
堀越吉行
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本展では、「自己指示的虚偽とポリフォニック」をテーマに、「絵画とは一体、何でできている
のか」——堀越吉行氏の作品は、そんな根源的な問いを私たちに投げかけます。
ジャスパー・ジョーンズのジョークと作家自身が表現するいわゆる“表象と実体のズレを利用した知的ないたずら”を例に挙げながら、今回の作品へのプロセスを表現しています。
本来、形を作るための「線」や、色を塗るための「絵の具」。堀越氏はそれらを単なる道具としてではなく、互いに響き合う独立した旋律(ポリフォニー)として描き出します。アクリルと油彩を複雑に交錯させ、意味や感情を超えた「絵画そのものの実在」を追求するその試みは、私たちが知る絵画の枠組みを鮮やかに飛び越えてゆきます。
作家自身が「透明」と語る、作為のない純粋な表現の地平。そこに何が現れるのか。新しく発明された装置のような、未知の視覚体験となるのか?ぜひ会場でご高覧ください。
画廊主 梅津宏規
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「Acrylic 17」
F30 キャンバスに油彩
2026
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「「Acrylic 20」
F10 キャンバスに油彩
2026
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「Acrylic 06」
SM キャンバスに油彩
2026
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「Acrylic 06」
SM キャンバスに油彩
2026
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「Acrylic 09」
F0 キャンバスに油彩
2026
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堀越吉行展2026DM-PDF
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2026年3月6日 19:58 - CATEGORY:
画廊翠巒
2026年画廊企画PART3
正村公宏 展
― RAW X RAW ―

「RAW」 430X310mm cyanottype 八女紙、ジェルメディウム他 2026
2026年3月7日[土] ― 15日[日]
AM10:30-PM7:00(10日火曜休廊・最終日pm5:00)
千葉県出身で、現在はアトリエと住居を川崎市に構える美術家・正村公宏の個展を一昨年に続き開催します。
正村公宏のこれらの作品は、人物や花、風景といった対象を再現することよりも、「像が生まれ、やがて崩れていく過程」そのものを示しているようです。画面は写真のような具体性を帯びながらも輪郭は曖昧で、粒子状に分解され、部分的に消失しています。そこに現れているのは現在の現実というより、思い出そうとしたときに浮かび上がる不確かな記憶の像で、人物は個人としての固有性を失い、顔は崩れ、背景に溶け込み、「誰か」ではなく人という存在の気配へと変わります。花もまた単なる生命の象徴ではなく、衰退へと向かう時間の只中にある姿としてあり、さらに紙のしわやムラ、分割の痕跡が残されることで、像は世界を透かして見る窓ではなく、物質としてそこにある表面として提示されています。
私たちは対象を見るのではなく、残された像そのものを見、全体を覆う青は夜や深層、過去といった時間の感覚を呼び起こし、現前する世界ではなく遠ざかった世界の気配を漂わせます。これらは、存在が確かな形を保つ瞬間ではなく、時間の中で徐々に痕跡へと変わっていく過程、すなわち「見たもの」ではなく「見終わったあとに残るもの」を静かに可視化していると言えるのかもしれません。
そんな大小の新作約 20 点を展示ご高覧頂きます。
画廊主・梅津宏規
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「熱」
P100 Cyanotype、和紙、アクリル
2025
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「After image/道」
P25 Cyanotype、和紙、アクリル
2025
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「群青日和/RAW2」
F20 Cyanotype、metal、和紙、岩絵具、アクリル、箔
2025
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「「Room/像」
P6 Cyanotype、metal、和紙、岩絵具、アクリル、箔
2025
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「Red Spider Lily」
Cyanotype、和紙、アクリル、岩絵具、箔
S3
2023
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正村公宏 展―PDF
正村公宏 CV
2026年2月13日 23:03 - CATEGORY:
画廊翠巒
2026年画廊企画PART2
須藤和之 展
- 望 郷 -

「明けゆく赤城山」 」1302×810 ㎜ 和紙に岩彩 2026
2026年2月14 日[土]-22 日[日]
Am10:30 ―PM7:00 (17日火曜休廊,最終日17:00)
今回の個展は、「望郷」をテーマに作品が描かれました。
須藤氏が生まれ育った赤城山の麓にある実家は、多少の開発はあるものの、現在も豊かな自然が存在し、それらを通して様々な気づき、様々な思い出を振り返えさせてくれる風景が広がっています。
須藤和之の日本画は、日本の自然(風・光・季節)の微細な動きや空気感を丁寧に描写し、観る者の心に静かな余韻と安らぎをもたらす作品世界です。岩絵具や水干絵具を用いた繊細な色彩表現により、風景の一瞬の光と影、風の流れを捉え、日本の四季や自然の奥行きを感じさせます。その作品は単なる風景描写にとどまらず、絵を描く行為自体が祈りに近い精神性を帯び、見る人に癒しと心の平穏を提供したいという思いが根底にあります。須藤自身も「絵が見る人に落ち着きをもたらし、人生の困難な瞬間に寄り添うものになれば」という願いを語っています。
本展では初めて、赤城山そのものをメインにした 60 号の大作他、故郷をテーマに描かれる作品 18 点を展示、ご高覧頂きます。
画廊主 梅津宏規
須藤和之展2026DM-PDF
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