2018年12月5日 8:20 - CATEGORY:
画廊翠巒
2018年画廊企画PART8
柿崎さえみ 展
― quotidient ―
「ネコトリ」F8 和紙、顔料、コンテ 2018
2018年12月08日[土] ― 16日[日]
AM10:30-PM7:00(火曜休廊・最終日pm5:00)
札幌生まれで、現在相模原市在住の若手画家、柿崎さえみの当画廊では初めての個展を開催致します。2016年、2017年と当画廊の企画グループ展「アマダレ」に参加、大変好評を得たことを切っ掛け
に、今回個展を開催することになりました。
東北芸術工科大学在学中には、日本画主要3団体の一つ、創画会で春季展賞を受賞し注目され、卒業の際には優秀賞を受賞。後に東京芸術大学大学院に進学、大学院日本画専攻修了時には東京医科歯科大学奨励賞を受賞し、現在は日本画という枠を超え、日本画材以外の様々な画材も使用しながら独自の世界の構築を試み、様々な企画G展や個展を通して発表を続けています。
今回の個展のテーマは「quotidian(日常)」日々の生活の一場面が彼女の脳裏によって色彩も形も柿崎色に変換され、絵画画面に映し出されていく。そのなんとも懐かしくもあり、しかし現代的な感性の中で醸成された独特の空気感や魅惑的な曖昧さは、多く鑑賞者を柿崎ワールドに次第に引き込んでいきます。
本展では新作を中心に、ミクストメディアによる作品を展示、ご高覧頂きます
画廊主・梅津宏規
私は、作品を制作するにあたって「ドローイング」という行為に、非常に重きを置いています。
私にとってのドローイングとは、そのものの形を追うスケッチ的なことでは無く、その場所で感じた色や形、そして空気感、そこで得られたものを頭で深く考えずに、体を大きく使って紙に写す、という行為のことです。これらのドローイングは、基本 人に見せる為に描くのではなく、非常に主観的で衝動的であり、概念を払拭することを目的とした「グラフィティ(らくがき)」に近い行為です。
ドローイングから得られたものを、一枚のパネルに再構築させていきます。ここで初めて、見る側(第三者)のことを意識します。それは五感で入ってきたものを、世の中から受けるイメージ(物質、生き物、景色)へと変換させる作業とも言えます。例えるなら壁のシミや、影を見つめていると、突然それが動き出したり、生き物に見えたりすることがありますが、それと同じで、ドローイングという感覚的で不確かなものに、実際に存在する偶像を当てはめていき、それらを確かな形にし、画面を構築します。
そして和紙、水干などの日本画画材を中心に、表現の幅を広げる為にコラージュをしたり、その他の画材を併用して、様々なマチエールを作っていきます。
このような作業をすることで、現実と想像のはざまのような、唯一無二の世界観を生み出そうと試みています。
また、私の絵には生き物が度々登場します。それは衝動という大きなエネルギーを擬態化したものであり、同時にそのエネルギーを生み出した私自身でもあり、主観的なドローイングを再構築させ「衝動」を形にして、私の作品となっていきます。
柿崎さえみ
柿崎さえみ KAKIZAKI Saemi PF
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「sunday morning」
F120
和紙、顔料、コンテ
2018
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「サーカスのユメ」
F3
和紙、顔料、コンテ
2018
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「トリネコ」
S50
和紙、顔料、コンテ
2018
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「ウラオモテ」
F0
和紙、顔料、コンテ
2018
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「motherⅡ」
SMS
和紙、顔料、コンテ
2018
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DM_宛名面
DM_写真面
2018年10月13日 2:36 - CATEGORY:
画廊翠巒
2018年画廊企画PART7
小林和史展
― 漂泊 ―
「漂泊003」600X600x100mm
Floating 和紙、墨、胡粉、金箔、金粉、銀箔、銀粉、銅粉、顔料、漆、樹脂、ステンレス針、木、他 2018
2018年10月13日[土] ― 21日[日]
AM10:30-PM7:00(火曜休廊・最終日pm5:00)
4年ぶり5 回目の小林和史による個展を開催します。
一枚の紙を巧みにはさみ一本で切り出し、造形的に本物と見まがうほどリアルに立体化する昆虫造形・・・ そう思われがちだが、実は作家は“元々 昆虫づくりというよりは、普遍的な人間の有様を表現して来たつもり”だと言う。
そして今回の個展では、人間の立ち位置から考えたいと思っていると・・・。
今回のテーマは『漂泊』。 彼にとって漂泊は漂白でもあり、社会がフラット化すると共に、私たち人間は色を失っていく。 あの松尾芭蕉の奥の細道「漂泊の思ひ」を想起するほどに、昔から人間は幾多の場面でさまよいながらも、しかし常に変わることなく、ある意味“昆虫”の如く普遍的であり、これもまた人間の性なのかもしれない。
全体同一性に観る、実は固有の微妙な差異を見出すことの重要性が、彼の作品から静かなメッセージとして発信されているような気がするのです。
画廊主・梅津宏規
「標 本」というスタイルを作品にとりいれたのは、今回 初めての試みでした。
永年にわたり 昆虫をモチーフに作品を創り続けてまいりましたが、昆虫のカタチやその質感そして有様は、 イコール 人間の 嘘のない本質的な姿 として表現 してきたつもりです。改めて標本というカタチにしてみますと人間の普遍的な群像劇が観えて来ます。
例えば「三十三間堂」のおびただしい千手観音立像を前にした時の衝撃は 今も鮮明に思い起こされます。人間の本質は姿カタチや観点を変えるコトによって 鮮やかに炙り出されてくると思うのです。
僕の父親は、僕が産まれる前から その人生を昆虫採取に投じました。僕の創作の始まりもその影響です。
父親亡き後、当然のごとく僕がその膨大な標本箱を受け継ぎました。艶やかな蝶類から目には見えないような微細な甲虫類までピンでとめられ保存されています。採取した年、月日、場所が小さなラベルに記載され、その全ての個体に付けられています。これを見れば、父親がいつ何処で何をしていたか?…が 虫 というカタチを通して判ります。言い換えれば標本は集めた人間の日記であり、感度や想いの記録とも云えるのです。
例えば僕が産まれる以前、若き日の父親がこの蝶を追い求めて、僕の知り得ない在りし日の野山を駆け巡る姿が、まるで映画を観るように蘇ってくるのです。標本たちは半世紀以上の時間を経て限りなくゆっくりと色褪せ、モノクロームに近づいて行きます。それゆえに、より本質性を増している気がするのです。
僕にとって、父の遺した標本箱はタイムカプセルであり、タイムマシンのようでもあります。
小林和史
小林和史 KOBAYASHI Kazushi PF
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「漂泊001」
600X600X100mm
和紙、墨、胡粉、金箔、
金粉、銀箔、銀粉、銅粉
顔料、漆、樹脂、
ステンレス針、木、他
2018
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「漂泊002」
600X1200X100mm
和紙、墨、胡粉、金箔、
金粉、銀箔、銀粉、
銅粉顔料、漆、樹脂、
ステンレス針、木、他
2018
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「漂泊004」
200X400X100mm
和紙、墨、胡粉、金箔、金粉、
銀箔、銀粉、銅粉
顔料、漆、樹脂、
ステンレス針、木、他
2018
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「漂泊019」
200X200X100mm
和紙、墨、胡粉、金箔、金粉、
銀箔、銀粉、銅粉
顔料、漆、樹脂、
ステンレス針、木、他
2018
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小林和史展2018DM
2018年9月8日 2:00 - CATEGORY:
画廊翠巒
2018年画廊企画PART6
阿部大介・鷹野 健
- collect -
「The desk in the intaglio studio in Geidai」
70×80×60 ㎝ 樹脂系エマルジョン、油性インク 2018
2018年9月8日[土] ― 16日[日]
AM10:30-PM7:00(火曜休廊・最終日pm5:00)
2008 年から画廊翠巒の企画展として始まったグループ展「overflow」に参加してもらったことが切っ掛けで、それぞれの個展もやグループ展を開催してきました。
阿部大介は、愛知県立芸術大学大学院を修了。様々な物体の表面を型取りし、特殊な素材に置き換えた立体を制作。現在は、女子美術大学版画専攻の准教授として教鞭と取りながら、その静かな佇まいの中に生々しさをはらみつつ、物質の変容を予感させる作品制作で注目を集めています。
鷹野 健は、これまでモノタイプによる独自の手法や石膏を画面上に定着させる物質的で情緒的な魅力ある作品を発表しつつ、武蔵野美術大学や現在は東京芸術大学及び多摩美術大学で後進の指導にあたりながら制作発表をしています。
そして、今回は2014 年からユニットによる制作で様々な場面で評価を得ている二人のユニットによる展覧会を開催致します。是非ゆっくりとご高覧ください。
画廊主・梅津宏規
阿部大介と鷹野健のユニットによるプロジェクトは、2014 年に発足しAOMORI PRINT トリエンナーレ2014、ファン・デ・ナゴヤ美術展2016、VOCA 展2018 などで制作発表してきました。
それぞれの展覧会において、はがし刷りという技法よって様々な場所やものから写された作品たちは、それぞれ異なる時間を携えています。
「collect」展では、これまでに作られた作品を抜粋し寄せ集めて展示します。作品たちが持っている様々な時間が混ざり合い重なり合う空間は、時間や場所を超えて、鑑賞者の個人的な記憶や経験と、不思議なつながりを誘発させる装置となります。そしてそれは、物質が辿ってきた時間とそれをめぐる人と場の関係性を捉え直すことができるのではないかと考えています。
鷹野 健
阿部 大介 ABE Daisuke PF
鷹野 健 TAKANO Takeshi PF
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「Snow shovel」
74×97.5cm
樹脂系エマルジョン、油性インク、紙 2014
写真:山口幸一
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「みなとのきおく 01 」
140×90 ㎝ 樹脂系エマルジョン、油性インク 2016
撮影 藤井昌美
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「Bag」
98×65.5cm
樹脂系エマルジョン、油性インク、紙
2014
写真:山口幸一
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「Window glass」
120×100cm
樹脂系エマルジョン、油性インク、
マットフィルム
2014
写真:山口幸一
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DM_写真面
DM_宛名面
2018年7月8日 0:59 - CATEGORY:
画廊翠巒
2018年画廊企画PART5
広沢 仁 展
- リヴァイアサン -
「放蕩息子」
145.5X112cm シルクスクリーン、蜜蝋、紙 ed.3 2018
2018年7月7日[土] ― 15日[日]
AM10:30-PM7:00(20日火曜休廊・最終日pm5:00)
私は山口県の瀬戸内の町で生まれ、すぐ近くには海がありました。そこには小さな島がたくさんあり、そのいくつかは船で行くことができます。船に乗って離れていく陸地を見ていると、あの世に行くような寂しさと懐かしさ、罪が洗われるような柔らかな気持ちになります。島には結界のようにバリヤーがはられて日常とは別の時間が流れているのでしょう。
ところで最近、その結界は大きくなってきていると感じることが多くなってきました。しかも悪いことに懐かしさや柔らかさは失われ、捩れ歪んだグロテスクなかたちで。われわれが知っている現実とは別の時間・空間で未知の言葉が交わされている。これは宇宙の意思とか幻獣の仕業とか思うほか理由づけが出来ません。
「怪物」の「見えない力」の意味で「リヴァイアサン」という言葉が頭にうかびました。作った作品は「水」に関連したものが多くなりました。私が描くものは小さな島の寂しく懐かしい人や物たちです。
広沢 仁
>広沢 仁 PF
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「水面影」
168×263cm cm
シルクスクリーン、屏風
ed.1 2018
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「箔」
145.5X112 cm
シルクスクリーン、紙、パネル
ed.5 2018
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「クワ」
72.5X53cm
シルクスクリーン、紙、
ed.8 2018
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「ばかな風」
72.5X53cm
シルクスクリーン、紙
ed.8 2018.
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「祝い人」
72.5X53cm
シルクスクリーン、蜜蝋、パネル
ed.4 2018
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>広沢仁2018 DM.PDF
2018年6月9日 7:14 - CATEGORY:
画廊翠巒
2018年画廊企画PART4
三輪途道 展
― 社の番猫 ―
「目指すは大間のまぐろ」28.5X18.5X62cm 檜、漆、白土、彩色 2017
2018年6月9日[土] ― 17日[日]
AM10:30-PM7:00(20日火曜休廊・最終日pm5:00)
2000 年に初めて三輪途道氏 (当時は上原三千代)の個展を画廊翠巒で開催し皆様に作品をご紹介してから、これまで幾度となく個展やG 展を開催、だいぶ間隔が開いてしまいましたが、2012年以来6 年振りとなる個展をこの度開催することとなりました
三輪氏は、木心乾漆、寄木による木造彫刻と言われる1200 年以上前から日本古来の木造彫刻として伝承され、その多くは仏像彫刻として制作されてきた彫塑技術に、独自の彩色を施し今日の現代作品としてあらたな造形を生み出してきました。
約10 年ほど前から視力の低下という難題と共に様々な障害によって、その造形作品はそれまでとは、いささか異なる表情を付帯することになりましたが、三輪氏が芸大大学院時代に模刻した「東大寺俊乗房重源上人像」をご覧になった東大寺関係者が“姿形のみならず、それに宿る魂まで写し得た像”と言わしめたその心眼こそが、三輪の造形力、表現力の真骨頂であり、近年制作されてきた視力の限界の中でこそ観い得たその先にある何か、魂の宿る造形作品をそこに観
ることが出来るのでは・・・と期待するのです。
画廊主・梅津宏規
>三輪途道PF
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「社の番猫」
41X32X71cm
檜、漆、白土、彩色
2017
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「回転鮨もありです」
40×28.5×50.5cm
檜、漆、白土、彩色
2017
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「八幡神社の次郎坊」
29×27.5×55cm
檜、漆、白土、彩色
2017
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「いつかは大間のマグロ」
15×13.5×23 ㎝
檜、漆、白土、彩色
2016
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「地平線から」
48×46×107cm
檜、漆、彩色
2016
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「地平線から」のために
23.5X41cm
画用紙、彩色
2017
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三輪途道展DM.PDF