2022年5月13日 9:58 - CATEGORY:
画廊翠巒
2022 年画廊企画PART 4
アマダレ2022
伊藤みさき・佐々木菜摘・下田実來
「
こでまり 」 F4 白麻紙、墨、胡粉、岩絵具、水干絵具、染料 2022 伊藤みさき 作
2022年5月14日[土] ― 22日[日]
Am10:30 ―PM7:00 (17日 火曜休廊・最終日 pm5:00迄)
本年も「アマダレ展」を開催致します。東北芸術工科大学日本画領域の教授である長沢明氏が、この画廊翠巒で個展を開催したご縁から実現した、当画廊と長沢明氏による、東北芸術工科大学大学院日本画領域を修了又は在籍中で、今後の制作に期待を寄せる若手作家の選抜によるグループ展の第8回展です。
今年は昨年選抜された佐々木菜摘(大学院修士 2年在籍中 )が第 8回トリエンナーレ豊橋・星野慎吾賞展にて、大賞である星野慎吾賞を並み居る国内で活躍中堅作家を押しのけ、過去最年少受賞の快挙を成し遂げ、本展も引き続き選抜されました。そして、本年 3月に大学院を修了した二人、伊藤みさきは、第 14回西会津国際芸術村公募展・緑のかけ橋賞を受賞、下田実來は第 39回上野の森美術館大賞展・優秀賞 /フジテレビ賞を受賞するなど、在学中から様々なコンクールで活躍する期待の 3人による展覧会になります。
また開催期間中、作品の画廊展示風景をSNSで Youtube配信し作品鑑賞いただけますのでご利用下さい。
画廊主 梅津宏規
「アマダレ」 グループ展主旨
芸術の世界は必ずしも結果を伴うものではないが、たとえ結果がどうであれ、描き続けていくだろう彼等。一つの方向を向き描き続ける作業は、雨だれが石を穿つ様と重な、ときには「描くべき意味」を飛び越えていく。描くことが思考を超えた時にしか、見せることができない世界がある。私は芸術のフィールドに、そんなプレイヤーに立ってもらいたい。
またアマダレは「!」の別名であることから、彼らが自分の世界を求める中で見つけた「!」を、僕らにも見せる機会になってほしい。
長沢明
伊藤みさき
ITOW Misaki
実際にその地を訪れおこなう写生を基に、植物を取り巻く風景や生き物との関わりを描いています。
この世界の生きものたちは各々の時間を生きていながらどこかで関わり合い、鎖の輪のように繋がり廻っています。私たち人間も例外ではなく、動物や植物、虫たちの力を借りてその輪の中を生きており、この
感覚は便利な現代社会では感じることが難しくなっています。
写生帖と鉛筆を手に山へ入る時、私はその輪の中にいることを強く感じます。耳を覆ってしまうほどの川の音、土と木の間を通る風の匂い、動物の気配、すれ違う虫、これらは切り離された自然の世界ではなく、私たちが生きる世界と確かに繋がっています。
実際に体験し感覚を身体に刻み込む写生と、古くから自然とともにあった日本絵画より続く画材、技法を用いてすべての生き物たちと人が関わり合う『自然』という世界の表出を目指し日々制作しています。
佐々木菜摘
SASAKI Natsumi
私は別の生き物としてありたいという強い欲求があります。そこから、本来私たちはヒトという型に収まり切れない欲求を抱えながら生きていて、人間の在り方は私たちが想像する異星人のように多種多様であってもよいのではないか、と考えるようになり、動植物や虫の特徴と人体が融合した生命体を「リンジン」と名付け、理想の生命体として、普段私たちが意識しない物事の視点を未知生物に代弁させ表現しています。また、未知生物「リンジン」を、ある人物が作り上げた架空の物語としてではなく、私たちの知らないどこかの世界でありえた出来事として現実 世界に存在させたいと思っています。
見る人がその生物に入り込み、未知生物の視点を探求できるためのリアリティを表現するため、リンジンの「標本」では未知生物の皮膚の生々しさや、リンジンの世界はどのような見え方をしているのかを重点的に意識し日々制作しています。
下田実來
SHIMODA Mirai
目まぐるしく変化する日々の風景・失われていく人々の記憶をモチーフに、絵画を通して光を捉えようと制作している。
記憶をモチーフにする時に考えることがある。
私たち人間は、互いに何処かで境界線を持ちながら生物たちと交流を続けて生きている。時に協力しながら時に競争をしながらも関係性を持ち時間を共に作り上げる。しかし、油と水のように受け入れない関係もある。それらは、紐を作るために禍福を編み込まれるような形に近いと。またそれらは、実は表裏一体であるのではないかと。その中で自分たちが作りだした時の中で私たちは編まれ編み 込み、解かれ自分と
いう存在を見つけるのではないかと。そして自分がいる場所から光を目指して歩くのではないかと思う。
絵画を通して光を描き、これからを歩む人々の道を明るくしたい。
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「
夏の果 」
1,455××970mm
高知麻紙、墨、胡粉、岩絵具、
水干絵具、箔、ピグメント
2021
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「初夏の調べ 」
333× 333 mm
高知麻紙、墨、胡粉、岩絵具、水干絵具、染料
2021
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「はう(リンジンの胴体に描かれた絵) 」
2,200×1,230mm
なめし革、染料、布用絵具、他
2021
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「はせい(リンジンの足に描かれた絵) 」
410×400mm
なめし革、染料、布用絵具、他
2021
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2022年3月5日 0:14 - CATEGORY:
画廊翠巒
2022年画廊企画PART3
澤田志功 展
- Lunar Eclipse -
「月ノ無イ夜二」
470 170 220mm 樟、鉄、彩色
2022年3月5日[土] ― 13日[日]
AM10:30-PM7:00
(8日火曜休廊・最終日pm5:00)
現在、文化学園大学造形学部デザイン・造形学科教授で彫刻家の澤田志功氏の木彫による個展を、画廊翠巒では14年振りに開催します。
澤田氏は1965年生まれ東京出身。現在の群馬県庁竣工に伴い、2001に群馬県指名によるアートコンペに参加し大賞を受賞されました。現在も群馬県庁1Fの駐車場エントランスの壁面と入口に、澤田氏の作品が展示されています。
2012年には画廊翠巒のグループ展「立体の魅力展」に参加。それ以降何度か画廊翠巒で開催したグループ展や個展を開催しています。
澤田氏の作品は、動物や鳥などをモチーフに、塑像や木彫という手段で、ある種のシュールさを持たせ様々なテーマ性を盛り込みながら制作されています。そこには一貫した自然律の中の本質、必然性が求められ「生命の在り方」「有機的な美しさ」が問われているようです。
本展では、近作を含めた過去10年間の作品約16点をご高覧頂きます。
画廊主・梅津宏規
>澤田志功PF
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「月蝕ヲ待ツ」
480X160X19mm
樟、鉄、彩色
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「respiration」
650× 310×310mm
樟、鉄、彩色
2022 |
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「crescent in black」
380×260×270mm
樟、合板、彩色
2022 |
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「魍魎の肖像-猫又―」
300×120×400mm
樟、鉄、彩色
2022 |
尚、他作品や個展会場動画などは以下のブログからご覧頂けます>http://ameblos.jp/suirancom/
DM_宛名面PDF
2022年2月11日 21:10 - CATEGORY:
画廊翠巒
2022年画廊企画PART2
須藤和之 展
- 希望 -
「 きざし 」 810X1320mm 和紙に岩彩 2022
2022年2月12日[土] ― 22日[日]
AM10:30-PM7:00(15日火曜休廊・最終日pm5:00)
今回の個展は、「希望」をテーマに作品が描かれました。
須藤和之がこだわる自然。彼が育った群馬、前橋、それも赤城山の麓にある実家は、今も豊かな大自然がそこかしこにあり、一年の四季、春夏秋冬を、朝、昼、夕、晩、夜中、一日の移ろいを日常的に草花や木々、山河などを通して身近に感じることが出来ます。自然は大きく、広く、深く、時に怖く、時に優しい。
一昨年から現在まで続く、そしてこの先もまだ続くであろう、未知なる未曽有のコロナ禍の中、須藤は今も自然を描き、この時もまた それでも時代を超えて幾万年前から続く、不変な自然の美しさを通して 心の不安を抱える今の私たちに、未来への夢と希望、そして安寧を須藤和之の絵画の世界を通して与えてくれるのではと思います。
画廊主・梅津宏規
>須藤和之PF
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「こだま」
810X1320mm
和紙・岩彩
2022
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「このま」
P10
和紙・岩彩
2022
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「めぶき」
P10
和紙・岩彩
2022
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「森のうるう」
M8
和紙・岩彩
2022
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「水のみつる」
F6
和紙・岩彩
2022
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尚、他作品や個展会場動画などは以下のブログからご覧頂けます>http://ameblos.jp/suirancom/
DM_宛名面PDF
2022年1月14日 0:18 - CATEGORY:
画廊翠巒
2022年画廊企画PART1
久保 繁 展
―Souvenir du voyage―
旅 の 思 い 出
▲「 思い出の トスカーナ 」 F30 キャンバスに アクリル 絵具 2022
2022年1月15日[土] ― 23日[日]
AM10:30-PM7:00(18日火曜休廊・最終日pm5:00)
毎年恒例の新年、第1回目の個展である久保 繁 展を開催致します。
久保氏は、現在も前橋と逗子のアトリエを行き来しながら作品制作をしていますが、同時にライフワークである、フランス、イタリア旅行での制作が、2年前からの世界的なコロナ禍で出来ない状態でもある為、これまでの「旅の思い出/Souvenier du voyage」をテーマに描かれた作品を本展では発表致します。
久保の作品は、実に優しくある意味ちょっと曖昧なのですが、それが観る人の心を開放し、多くのファンが癒される作品の要因となっているのだろうと思います。
画廊主・梅津宏規
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「思い出のトスカーナⅠ」
F12
キャンバスにアクリル絵具 2022
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「夏の始まり」
F10
キャンバスにアクリル絵具 2022
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「カダケス散歩Ⅰ」
F3
キャンバスにアクリル絵具 2022
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「静かな昼下がりⅠ」
M8
アルシュ紙に水彩 2022
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>DM
>久保 繁PF
2021年12月11日 0:14 - CATEGORY:
画廊翠巒
2021年画廊企画PART11
竹下修司 展
―Plantes―
「葵Ⅱ」パネル、岩絵具、水干 442×395mm 2021
2021年 12月11日[土]―19日[日]
Am10:30 ―PM7:00 (14日火曜休廊:最終日pm5:00迄)
毎年5月に東北芸術工科大学との共同企画展として画廊翠巒で開催している「アマダレ」の第1回展に出展し、ほとばしる画家としての才能の片鱗を見せてくれました。あれから5年、現在は地元の広島に戻りじっくり自己を見つめ直しながら、圧縮された自己表現欲求を開放しながら描き貯めた作品による個展を、画廊翠巒で開催することになりました。
元々日本画科出身ながら、これまでの日本画の古典的技法に縛られた日本画の世界から、技術的な開放と自由さを作風に求め、形式的なジャンルに捕らわれない、もっと本質的な絵画の在り方を探し、支持体に向きあい、絵の具を身体で感じながら、一心不乱に描く。人の感性の極限を追い求めつつ描く彼の作品は、表層的な美しさに留まらない、描く彼自身と描かれた絵がまるで一体化したかのような、画家の本能が導き出す、根源的な美しさの原石がそこにはあるような気がします。ぜひごゆっくり、竹下修司の世界をご高覧下さい。
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植物の姿は、どこか人間の姿と似ている。雑地にがむしゃらに伸びる草花も、コンクリートの割れ目の隙間から顔を出し優雅に咲く花も、綺麗に整備された庭に整然と伸びるそれも、ハウスの中で当然のように咲かされるモノたちも、環境や育ち方は違うなれど、しかしどれもまた命あるものは美しい。
竹下修司の世界はいつのまにか こんなことを想起させる作品なのだ
画廊主 梅津宏規
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「花盛り」
910×1160mm
パネル・和紙・岩絵具・水干絵具
2021
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「葵Ⅲ」
470×397mm
パネル・岩絵具・アクリル
2021
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「寒の日」
272×255mm
寒冷紗・岩絵具・水干絵具
2021
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「華雨」
270×225mm
寒冷紗・岩絵具・珊瑚
2021
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尚、他作品や個展会場動画などは以下のブログからご覧頂けます>http://ameblos.jp/suirancom/
竹下修司展2021DM-PDF
竹下修司PF