2023 年画廊企画PART5
― ケモノミチ 旧作+未発表 ―
2023年6月10日[土] ― 18日[日]
AM10:30 ―PM7:00 (火曜休廊・最終日pm5:00迄)
地元・前橋市出身で、現在も通信教育担当で指導を務める、東京小平にある武蔵野美術大学近くのアトリエで制作活動をする版画家・木村真由美の 2年ぶり 8回目の 個展を開催します。
Tシャツや複数の看板制作などにも使用される技法、シルクスクリーンと言われる孔版画の技術を使用しながら、根気よく幾度となく沢山の色で摺りねられ、部分的に鉱砂をちりばめたことによって出来る盛り上がった画面は、およそシルクスクリーンとは思えない、とても微妙なニュアンスとマチエールを生み出す独自の技法を編み出し、奥行きと透明感のある独特の色彩を放つ独自の作風を創り上げました。
今回は、これまでの木村真由美自身の作品の変遷を自身による検証も兼ね、2001年から近作までの旧作と未発表作品で個展を開催致します。
タイトルの「ケモノミチ」は、改めて過去作品を見ると、表面的には変化していますが、やっていることは変わらず、正道ではなく相変わらず「 けもの道 」 だなと 作家自身が 実感したことから、本展のタイトルとなりました。
本展では旧作及び未発表を中心に約 25点ご高覧頂きます。
画廊翠巒主 梅津宏規
「カラ I.P.09s アカネサス 」
シルクスクリーン・和紙・鉄粉 93×93cm 2004 |
「カラ20160925」
シルクスクリーン・和紙・鉄粉・パネル 91×91cm 2020 |
「カラI.P.05 ブラックテレビfp」
シルクスクリーン・和紙・鉄粉 38×53cm 2010 |
「カラ システマチックスリー(一部)」
シルクスクリーン・和紙 31×31cm 2001 |
「カラ システマチックスリー(一部)」
シルクスクリーン・和紙 31×31cm 2001 |
尚、他作品や個展会場動画などは以下のブログからご覧頂けます>
https://ameblo.jp/suirancom/
PDF>木村真由美展DM
2023 年画廊企画PART 4
土田翔 ・ 正村公宏 ・ 松尾昌樹
2023年5月13日[土] ― 21日[日]
Am10:30 ―PM7:00 (16日 火曜休廊・最終日 pm5:00迄)
本年も「アマダレ展」を開催致します。東北芸術工科大学日本画領域の教授である長沢明氏が、この画廊翠巒で個展を開催したご縁から実現した、当画廊と長沢明氏による、東北芸術工科大学大学院日本画領域を修了し、今後の制作に期待を寄せる若手作家の選抜によるグループ展の第9回展で、現在東北芸術工科大学とのコラボ企画展となっています。
コロナ禍が続く中での3年間、難しい開催が続きましたが、やっと 4年ぶりに通常の運営でのグループ展「アマダレ 2023」を開催出来ることとなりました。現在出展作家二人が東京、一人が山形在住の作家たちです。
今年は3人全員が初の選抜で、土田翔は大学院修了展で最優秀賞はじめがアートアワードトーキョー丸の内 2022後藤繁雄賞受賞他、数々の賞を受賞、昨年は最上川美術館で最上川芸術祭 2020 ENCOUNT-最上川に刻む – 土田翔展が開催されるなど破竹の勢いで活躍しています。また正村公宏は大学卒業制作展優秀賞他アーツ千代田 3331 myheirloomで注目されるなど大きな評価を受け、松尾昌樹は、 2020年進級制作展にて最優秀賞を受賞などその独特の視点と作風が注目され、みちのく現場考展 -東北描キ巡リ、芸術想ヒ 巡 り -に 作家評価を上げています。本展は全ての作家が墨を多様し独自の画風で大変注目を浴びている若手作家 3人による G展となります。それぞれ一人 5点合計約 15店の大小作品を展示ご高覧頂きます。 また開催期間中、作品の画廊展示風景を SNSで Youtube配信し作品鑑賞いただけますのでご利用下さい。
画廊主 梅津宏規
「アマダレ」 グループ展主旨
芸術の世界は必ずしも結果を伴うものではないが、たとえ結果がどうであれ、描き続けていくだろう彼等。一つの方向を向き描き続ける作業は、雨だれが石を穿つ様と重な、ときには「描くべき意味」を飛び越えていく。描くことが思考を超えた時にしか、見せることができない世界がある。私は芸術のフィール
ドに、そんなプレイヤーに立ってもらいたい。
またアマダレは「!」の別名であることから、彼らが自分の世界を求める中で見つけた「!」を、僕らにも見せる機会になってほしい。
長沢明
土田翔 TSUCHIDA Sho
現場での取材によって対象の感覚的リアルを得ながら作品を制作している。日本画家・小松均の研究を下敷きに独自の絵画論を構築し、現代のスピードを身体感覚で表現する。現在生きて表現をする上で必要と
なるリアリティを獲得するために、絵画だけでない出力や、身体・行為が介在する表現方法、エクストリーム直写法を展開している。画材にはモルタルや建築に使用されるようなあらゆる材やペンキなどを用
い、グラインダーなどの道具を使い、建築の施工に近い制作を行なっている。
時には自分自身を筆に、対象を和紙のような支持体として捉え、一筆目を描くために対象への実感を隅々まで受け止める作法を行う。 私は描くプロセスそのものを重要視する。そのため、対象のリアルを得る
ために体を張らなければならない。川の冷たさを描くなら自らの身体を川に浸し、自然豊かな東北の地で対象と一対象と一 体になるには、山へ入り、時には雪に埋もれながら描き、世界を確かめている。体になるには、山へ入り、時には雪に埋もれながら描き、世界を確かめている。
正村公宏 MASAMURA Kimihiro
何かを描く、作品を作り上げる、それらの行為は非常に能動的なものです。自分の琴線に触れたモノや場面、感情を元に「このような作品にしよう」と考えて手を動かし始めます 。しかし、それだけでは作品の完成が予測できてしまいます。
私は作品の完成が自分の想像を超えて欲しいという願望の元、制作をしています。それは無意識下における手の動きや、感覚的なドローイングを元にした作品制作ということではありません。
日々の制作において、コンセプトに準じた手段を取るといった「縛り」を設けています。その縛りによって作品の完成形が自分の予想を超えていくと考えております。
私は、誰かがその場所に居たという不在、思い出すことのできない誰かの存在、これらを作品で表現することを試みています。それらに共通することは、人の「記憶」によって作り出されるものだということで、これが制作の根源であり、先ほど述べた「縛り」にもなっております。
松尾昌樹 MATSUO Masaki
私は自然の現象とその体感を基に作品を制作しています。
川の水は地形や土壌の性質に応じて、その場ならではのリズムで流れできています。環境、物質の特性、それらの相互作用が作り出すものには共通する言語があるように感じています。
作品を作る際に線を集積させる手法を用いこの行為により、自然言語と触れる感覚を得ています。画面上の線には体感した言語が現れ、支持体やメディウムは川でいう土壌や水となります。作品それぞれには集積の方法や土壌のルールがあり、受け取った体感が作品ごとに設定したルールに沿って出力されているか判断しながら自然の中に存在する言語との対話、再構築を試みていま す。
「don’t look back」 |
「Rocky bicky 」 |
「Fragment of memory」 |
「Jamais vu/touch」 |
「raw 1」 |
「raw 2」 |
尚、他作品や個展会場動画などは以下のブログからご覧頂けます>
松尾昌樹 MATSUO Masaki
1998 東京都生まれ
2022 東北芸術工科大学芸術学部美術学科日本画コース専攻卒業
主な展覧会
2023 TEETRAGON~EXHIBITION~(福岡三越ギャラリーVI)
みちのく現場考展‐東北描キ巡リ、芸術想ヒ巡リ‐ 小津ギャラリー・日本橋
アマダレ20023-土田 翔・正村公宏・松尾昌樹 画廊翠巒・群馬
受賞歴
2020 東北芸術工科大学美術課日本画コース進級制作展 最優秀賞
2023 東北芸術工科大学美術課日本画コース卒業制作展 優秀賞
制作意図
私は自然の現象とその体感を基に作品を制作しています。
川の水は地形や土壌の性質に応じて、その場ならではのリズムで流れできています。環境、物質の特性、それらの相互作用が作り出すものには共通する言語があるように感じています。
作品を作る際に線を集積させる手法を用いこの行為により、自然言語と触れる感覚を得ています。画面上の線には体感した言語が現れ、支持体やメディウムは川でいう土壌や水となります。作品それぞれには集積の方法や土壌のルールがあり、受け取った体感が作品ごとに設定したルールに沿って出力されているか判断しながら自然の中に存在する言語との対話、再構築を試みています。